推し物語(夢小説)を書いて投稿するまでの流れは、サイト選び・名前変換の設定・AIプロンプトの活用という3ステップで整理できます。
各サービスの特徴から実際に使えるプロンプトテンプレートまで、この記事にまとめました。
読む側の名前変換設定も書く側の投稿手順も、初めての方でも迷わないよう順番に解説します。
私も最初は「どこから手をつければいいか」と悩んでいたクチなので、同じ状況の方に届けば嬉しいです。
推し物語って何?夢小説との違い
推し物語という言葉、最近よく見かけるようになりました。
ただ実は「夢小説」「ドリーム小説」「名前変換小説」と呼び方がいくつかあって、中身はほぼ同じものを指しています。
呼び方が違っても核心は同じ
「推し物語」は、好きなキャラクターや実在する推し(アイドル・俳優など)と自分が絡む物語を書いたり読んだりするジャンルです。
世代によって呼び方が変わります。
2000年代は「ドリーム小説」、2010年代は「夢小説」、そして今の若い世代を中心に「推し物語」「推し小説」と呼ぶことが増えてきました。
どれも呼び方が違うだけで、「自分が登場する二次創作小説」という核心は変わりません。
名前変換で自分だけの物語になる
夢小説の最大の特徴は、主人公の名前が読者ごとに変わる仕組みを持てることです。
普通の小説は「主人公の花子は〜」と名前が固定されています。
でも夢小説では、読む前に自分の名前(たとえば「あかり」)を入力すると、物語の中で推しキャラが「あかり」と呼びかけてくれます。
この「自分だけの物語」感が、夢小説の醍醐味です。
推し物語を読める・書けるサイトはどこ?
どこで読む・書くかによって、使える機能や読者の層がかなり変わります。
現在、推し物語のメインフィールドになっているサービスを3つ紹介します。
pixivの単語変換機能
pixivは2020年から「単語変換(夢機能)」のテストを開始し、段階的に正式リリースした機能を持っています。
投稿した小説の中で、作者が「この部分は読者の入力した名前に変換してよい」と設定できる機能です。
読者はシリーズページの「参考資料」タブから自分の名前を入力すると、以降はその名前で物語が展開されます。
私がpixivを一番おすすめする理由は、アカウントを持っている方が多いことです。
新しいアカウントを作る必要がなく、すでに使い慣れた環境で書き始められます。
ただ、単語変換の設定が最初は少し分かりにくくて、私も「参考資料タブ」にたどり着くまで5分ほど迷いました。
プリ小説——スマホ特化でとにかく手軽
プリ小説(novel.prcm.jp)はGMOメディアが運営するスマホ向け小説投稿サービスです。
会話型のチャット形式でサクサク読めるのが特徴で、10代〜20代前半の読者層が厚いサービスです。
夢主(主人公)の設定を読者が入力して読める「夢機能」も標準搭載されています。
スマホだけで書いて投稿できるので、「パソコン苦手」という方には最初の選択肢として合っています。
フォレストページ+の使い方
フォレストページ+(plus.fm-p.jp)は夢小説・二次創作に特化した創作サイト作成サービスです。
名前変換機能を含む創作サイトを、プログラムの知識ゼロで作れます。
「自分のサイトに作品を置きたい」「pixivではなく自分のスペースで公開したい」という方に向いています。
カスタマイズ性が高く、自分のブランドで発信したい方には根強い人気があります。

小説の技術を底上げする一冊
プロ作家が実践する執筆技術を、AIと組み合わせることでさらに効果的に活用できます。
名前変換の設定方法(読む側・書く側)
名前変換は「読む側の操作」と「書く側の設定」があります。
両方を知っておくと、読むときも書くときも迷わず使えます。
読む側は好きな名前を入れるだけ
読む側の操作はとてもシンプルです。
サイトやサービスによって多少異なりますが、基本的な流れはほぼ共通しています。
- 読みたい夢小説のページを開く
- 「夢主の設定」「名前変換」「単語変換」などのボタン・タブを探す
- 自分の名前(呼ばれたい名前)を入力する
- 「この設定で読む」「保存」などをタップ
- そのまま小説を読むと、入力した名前に変換されて表示される
多くのサービスでは一度設定すると次回以降も覚えてくれます。
pixivでの変換設定方法
pixivで単語変換(名前変換)を設定するには、まず小説をシリーズとして投稿する必要があります。
シリーズ単位で「参考資料」の設定を行い、各話の本文では変換したい部分を [変数名] の形で書きます。
シリーズ編集ページの「参考資料」タブに移動すると「単語変換を追加する」というボタンがあります。
ここで「夢主の名前」「呼称」など変換したい項目を設定します。
本文では [夢主の名前] のように書くと、読者が入力した名前に自動で置き換わります。
プリ小説はスマホだけで完結する
プリ小説では「夢機能(名前変換)」という名前で提供されています。
小説の編集画面で「夢主の設定を追加する」を選び、夢主の名前・呼称・性別などの項目を設定します。
本文中の変換箇所は %名前% のような形式で書きます。
プリ小説はスマホアプリでもすべての設定ができるため、外出先でも作業が完結します。
AIプロンプトで推し物語を書く基本
推し物語をAIで書くときに一番つまずくのが、「推しっぽくない」問題です。
AIは汎用的な返答が得意ですが、特定のキャラクターの口調や関係性のニュアンスは、指示なしでは再現できません。
口調と関係性を先に固めると出る
AIへの指示で最優先すべきなのは、キャラクターの口調と、主人公(自分)との関係性です。
「推し」と一口に言っても、キャラごとの個性は全然違います。
「クールで素直じゃないキャラが、主人公の前だけ少し柔らかくなる」というタイプもいれば、「ムードメーカーだけど実は主人公をこっそり心配している」というタイプもいます。
口調の特徴(語尾、一人称、敬語かタメ口か)と、現在の関係性のフェーズ(友達・恋人・片想い・すれ違い中)をプロンプトに書くだけで、出力の質が大きく変わります。
変数記号を明示して名前変換に対応
AIプロンプトで名前変換に対応した文章を出力させるには、変数記号を「触ってはいけない記号」として定義することが必要です。
最もシンプルな方法は、「(名前)」という形式を使い、プロンプト内で「(名前)は読者が入力する変数です。
絶対に変更せず、そのまま出力してください」と明示することです。
この一文がないと、AIが勝手に「花子」「ユキ」などの一般的な名前に書き換えてしまうことがあります。
時間・場所・きっかけの3つで指定
「推しと甘いシーンを書きたい」だけでは、AIはどんな場面を書けばいいか迷います。
「放課後の教室で二人きり」「雨宿り中に距離が縮まる」「誕生日にサプライズしてもらう」のように、時間・場所・きっかけの3つを指定すると出力がぐっと安定します。
私がよく使うのは「5〜6ステップの感情の流れ」を書く方法です。
「最初はぶっきらぼう→ふとした会話→少し心を開く→照れを隠す→最後にひと言」のような流れを書いておくと、物語らしい起伏が出やすくなります。

実際に使えるプロンプトテンプレート3選
ここでは、すぐにコピーして使えるプロンプトテンプレートを3つ紹介します。
ChatGPT / Gemini / Claude どれでも使えます。
(名前) の部分はそのまま残して投稿すれば名前変換対応になります。
推しキャラ名や設定は自由に書き換えてください。
【甘め】日常会話テンプレート
日常のほっこりシーンに使えるテンプレートです。
以下の文章をコピーして、【推しキャラ名】と【キャラの特徴】の部分を書き換えてご利用ください。
あなたはプロの夢小説ライターです。以下の設定で小説を書いてください。
【登場人物】
- 推し:【推しキャラ名】
- 性格:【キャラの特徴。例:クールで言葉数が少ないが、(名前)には素直になれる】
- 一人称:俺(または任意に変更)
- 口調:敬語なし、タメ口。ぶっきらぼうだが優しさが滲む
- 主人公:(名前)
- 関係性:幼なじみ・友達など任意に設定
【シチュエーション】
放課後の教室。二人きり。(名前)が悩んでいることを話すと、推しが不器用ながらも寄り添う。
【出力の要件】
- 文字数:800〜1,000字
- 視点:(名前)の一人称
- 「(名前)」は変数記号です。絶対に変更せず、そのまま出力してください
- セリフ多め・心理描写あり
- ハッピーエンドで締めるCode language: plaintext (plaintext)
出力例(※ 出力は毎回変わります):
【AI生成文そのまま】
教室の窓から夕陽が差し込んでいた。「……何があった」短い一言だったけど、(名前)には分かった。こっちを向いてくれているんだって。
【編集後】
教室の窓が橙に染まる時間。「……何があった」たった四文字。でもその声が、(名前)の背中をそっと押してくれた気がした。
- 「差し込んでいた」→「染まる時間」で情景に温度が出た
- 「分かった」→「その声が〜した気がした」で心理描写をShow, Don’t Tellに
【すれ違い】緊張感を出すテンプレ
少し複雑な感情を書きたいときに使えるテンプレートです。
すれ違いや、言いたいことが言えないもどかしさを表現するのに向いています。
あなたはプロの夢小説ライターです。以下の設定で小説を書いてください。
【登場人物】
- 推し:【推しキャラ名】
- 性格:【キャラの特徴。例:プライドが高いが(名前)のことが気になっている】
- 口調:少し刺々しい、本音を隠す
- 主人公:(名前)
- 関係性:友達以上恋人未満のような微妙な距離感
【シチュエーション】
二人の間に誤解が生まれた。言えずにいる本音、すれ違う会話。でも最後にひと言で少し和解する。
【感情の流れ(5ステップ)】
1. ぎこちなく顔を合わせる
2. 会話がかみ合わない
3. (名前)が思い切って本音を言う
4. 推しが少し動揺する
5. 言葉少なだが、前より少し近づいた感じで終わる
【出力の要件】
- 文字数:1,000〜1,200字
- 視点:(名前)の一人称
- 「(名前)」は変数記号です。絶対に変更せず、そのまま出力してください
- セリフと心理描写を交互に入れる
- 完全解決しない「余韻のある終わり方」でCode language: plaintext (plaintext)
出力イメージ:セリフのかみ合わなさから始まり、「…そんなことを言いたかったわけじゃない」という(名前)の一言で推しが動揺し、少し距離が縮まる流れで締まります。
感情が動く場面が苦手な方でも、このテンプレートの「5ステップ」があれば迷わず書けます。
※ 出力は毎回変わります
【イベント】誕生日・記念日テンプレ
特別な日のシーンを書くのに向いているテンプレートです。
誕生日・記念日・文化祭・クリスマスなど、イベントシーンはAIが最も書きやすいシーンのひとつです。
あなたはプロの夢小説ライターです。以下の設定で小説を書いてください。
【登場人物】
- 推し:【推しキャラ名】
- 性格:【キャラの特徴。例:いつもクールだが、(名前)の誕生日だけは特別感を出す】
- 準備したプレゼント:【任意に設定。例:小さな花束とメモ帳】
- 主人公:(名前)
- 関係性:大切な人・恋人・気になる人など任意
【シチュエーション】
(名前)の誕生日。推しがいつもと違う行動をして驚かせる。
【出力の要件】
- 文字数:700〜900字
- 視点:(名前)の一人称
- 「(名前)」は変数記号です。絶対に変更せず、そのまま出力してください
- サプライズ感→照れ→あたたかい余韻の流れで
- 過剰に甘くなりすぎない(ちょうどいい甘さ)Code language: plaintext (plaintext)
※ 出力は毎回変わります
書き上げたら投稿へ——3ステップで完了
物語が書けたら、あとは投稿するだけです。
でも「そのまま投稿していいの?」「タグはどう付けるの?」と迷う方も多いので、まとめて解説します。
投稿前3点確認で読者に届きやすい
投稿前にかんたんなセルフチェックをしておくと、読者に気持ちよく読んでもらえます。
確認しておきたいのは3点です。
推しキャラ名の表記ゆれ(全角・半角・略称が混在していないか)、名前変換の動作確認(自分でテスト入力して確認する)、過激すぎる内容がないかです。
とくに名前変換は、設定した変数が正しく動くか必ず確認してください。
一度読者に届いてから「変換されていなかった」と気づくと、なかなか修正できません。
pixivへの投稿手順
pixivへの投稿は、まず「シリーズ」を作成してから各話を追加する流れです。
- マイページ → 「作品投稿」 → 「小説」を選択
- タイトル・本文を入力
- 「シリーズに追加」でシリーズを作成(または既存シリーズに追加)
- シリーズ編集ページ → 「参考資料」タブ → 「単語変換を追加」で変換設定
- 本文中に
[変数名]を挿入して動作確認 - 公開設定・タグを設定して投稿
単語変換の設定はシリーズ単位なので、シリーズを作ってから行います。
タグの付け方で読者に届く
適切なタグを付けることで、同じジャンルの読者に作品が届きやすくなります。
pixivでは「夢主視点」「名前変換有り」「○○(作品名)夢小説」の3種類のタグを基本として使うと良いでしょう。
さらに「甘め」「すれ違い」「誕生日」などシーンのタグを追加すると、読みたい雰囲気の読者に届きます。
プリ小説ではカテゴリとジャンルの設定がサービス側で用意されているため、該当するカテゴリを選べばタグの工夫は最低限でも問題ありません。

よくある質問
Q. 推し物語は著作権的に問題ない?
二次創作はグレーゾーンですが、多くの場合「黙認」という形で成り立っています。
公式が二次創作ガイドラインを公開しているジャンルでは、そのルールに従うことが大前提です。
たとえばアイドルジャンルや一部のゲームIPでは「非営利・過激な性描写なし」などを条件に黙認しているケースが多いです。
過激な性描写・デジタル転売・公式への混同を招く表現は避けるのが基本マナー。
判断に迷ったらファンダムの慣習やジャンルWikiを確認するのが確実です。
Q. 変換機能ないサイトでも使える?
AIプロンプトを使えば擬似的に対応できます。
「(名前)」という記号を変数として使い、投稿後に読者にコピーしてもらって自分のAI環境で置き換えてもらう、という方法が最もシンプルです。
またnoteのような一般の投稿サービスでは「テンプレート記事」として提供するスタイルも最近増えています。
Q. プロンプトは使いまわしていい?
基本のテンプレートを使いまわすのは全く問題ありません。
むしろ「自分の定番テンプレ」を育てていくのがおすすめです。
キャラごとの設定だけ変えて、シーンの指示(感情の5ステップ)はいつも同じ型にしておくと、安定した品質で書き続けられます。
Q. 初心者はどのサイトから始める?
すでにpixivのアカウントを持っている方は、そのままpixivで始めるのが最も手軽です。
アカウントがない、またはスマホだけで完結させたいという場合はプリ小説が向いています。
「まずは読んで雰囲気をつかむ」段階であれば、どちらも無料で始められます。
Q. AI小説の投稿はOK?
各サービスのガイドラインを確認することが必須です。
2025年〜2026年にかけて、各サービスがAI生成コンテンツのガイドラインを整備し始めています。
pixivでは投稿設定の「AI生成作品」チェックボックスを有効にし、「AI生成」タグを付けて投稿することが推奨されています。
「自分で書いた」という体裁での投稿は読者の信頼を損なうため、AIを使った場合は明示するのがマナーとして定着しつつあります。
まとめ
推し物語を書いて投稿するまでの流れ、ひと通りお伝えしました。
サイト選びから名前変換の設定、AIプロンプトの活用まで、この記事に出てきたステップをひとつずつ試していくと、最初の一作は思ったより早く完成します。
私自身、書き始めたのは「読む専門」でいた期間の後でしたが、一作書いてみたら「もっと書きたい」になるものでした。
AIを使うかどうか、どのサービスに投稿するかは、あなたのやりたいことに合わせて選んでください。
名前変換の感動をまず「読む側」で体験してから、「書く側」に回る流れが、自然に始められる順番だと思っています。
まずはお気に入りのサービスで一作、読んでみるところから始めてみてください。
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